サーバーソフトウェア更新 2

VMで稼働させていたサービスをコンテナに置き換えることに決定したので、次は新環境のソフトウェア選定です。

コンテナの稼働に特化したOSとなればFedora CoreOSやProxmox Virtual Environmentなどが存在しますが、今回は私が扱いに慣れているAlpine Linuxを使うことにしました。

コンテナ技術絡みでは、Alpine Linuxはコンテナイメージを軽量に作成できるベースイメージとして広まったように思います。この軽量という特徴はコンテナを動かす基盤として使用するにも都合が良いと考えられます。

なお、Alpine Linuxは軽量にするために他のディストリビューションとは標準Cライブラリや標準コマンドの非互換があり、稼働させるソフトウェアによっては相性が悪い場合があります。これはコンテナイメージのベースとして使用する際は場合によって無視できない要因ですが、コンテナを動かすだけであれば問題になることはないでしょう。

パッケージリポジトリに登録されているパッケージは充分な種類があり、パッケージのバージョンについても随時更新されているようです。何はともあれ必要になるDocker CEが(communityリポジトリではありますが)収録されているのは便利です。

もう一つOS選定に関わる要素がデバイスのサポートです。今回のソフトウェア更新は、使用中のRAIDカードがESXiの最新版でサポートされなくなってしまったことがきっかけの一つでした。問題のRAIDカードはLinuxカーネルに含まれているドライバが対応していたため特に手を加えることもなく動作しました。この件についてはLinuxベースであるCoreOSやProxmox VEでも同様に対応しているものと思います。1

また、コンテナを使いますがハードウェアは1台のみ、オーケストレーションもしないと割り切っているので、通常のLinux上で直接コンテナを実行する形態で充分と判断しています。流石に落ちたらそのまま放置という訳にもいきませんので、docker composeで死活監視を含め管理する想定です。


  1. カーネルのバージョンやビルドオプションに依存するでしょうし、各OSについて検証してはいないので正確にはわかりません。 ↩︎

サーバーソフトウェア更新 1

2月から3月にかけて自宅サーバーのソフトウェアを入れ替え、最新化しました。

もともとこの自宅サーバーは2017年4月にハードウェアを新調していました。(参考: 2017年以前のサーバー構成)

主にストレージを入れ替えながら、現在の構成はこのようなものになっています。

  • CPU:
    • Xeon E3-1240L v5
  • Memory:
    • DDR4-2666 32GB ECC
  • Boot Strage:
    • NVMe SSD 512GB
  • Data Storage:
    • RAID Controller: Adaptec RAID 6405E
    • HDD: WD Red Plus 10TB x 2 (RAID 1)

2017年にハードウェアを新調した時点では、前サーバーと同じくVMware ESXiをインストールしていました。 そのままv6.5 Update3まで更新しつつ運用していたところ2022年10月にサポートが終了し、v7.0以降にアップデートする必要が出たのですが…

使用しているRAIDカードがESXi v7.0以降に対応していない1ためアップデートを断念しました。

他にも複数の理由により、サーバーのソフトウェアを見直す時期が来たと判断しました。

  • VMを10台ほど起動していたためメモリの余裕がなく、ここ最近はやりくりに苦労していた
    • 解決のためVMからコンテナへ移行してのメモリ効率向上を計画していた
  • CentOS 7のサポート終了が近づいてきたためそろそろマイグレーションの準備をしなければならない
  • Windows Server 2012 R2のサポート終了が迫っているので、Linuxで代替する準備を始めなければならない

以前より部分的にコンテナ技術を導入・検討していたこともあり、今回はハードウェア構成はそのままに、VM上で稼働しているサービスを全てコンテナに置き換えることにしました。


  1. VMwareが公開している互換性リスト、及びRAIDカードのドライバの対応OSを確認した結果。望み薄そうだったのでダメ元でアップデートを試すことはしませんでした。 ↩︎

サーバの集約

Windows Home Server 2011とMandriva Linux 2010.2と、2台に分かれていた自宅サーバを1台に集約してみた。

以前から計画していたものの、Windows機で使用していたTVチューナカードがネックになっていた。

しかし、VMware vSphere Hypervisor 5.1での成功例がネット上にそれなりの量見かけたので、挑戦してみることにした。

ハードウェアの構成は以下の通り

CPUAMD Opteron 3280
MemoryDDR3-1600 16GB
MotherBoardASUS M5A99X EVO
HDD2TB(Vmware) + 12TB(Data)

以前使用していたハードウェアでは、ハードウェア仮想化に必要となるIOMMUに対応していないため、新しいハードウェアを調達した。

実はCPUを使い回すことは可能なのだが、8コアというスペックと、マザーボードとのセット販売で格安だったため、丸ごと入れ替えている。

ハイパーバイザ上にWindows Home Server 2011とopenSUSE 12.2(Mandriva Linuxから乗り換え)を導入し、環境の移行を行い1ヶ月以上経過したが、おおよそ問題なく稼働している。

ちなみに、Radeon HD 5450を仮想化しゲストOSに割り当ててみたが、設定次第ではハイパーバイザを巻き込んでクラッシュしたり、性能的なメリットが薄かったりと、使い道がなかったためRadeonの仮想化はしないで運用している。

副作用として、Microsoft Technet Subscriptionで提供されているプロダクトのテストにちょうど良い環境が手に入ったので、時間があったときにでも普段触れる機会のないWindows Serverなどを使用してみようと思う。